世界幻想文学大系 30

ヒミツノブキ

秘密の武器

フリオ・コルタサル 著
木村榮一 訳

発売日 1990/05/14

判型 四六判   ISBN 978-4-336-02532-6

ページ数 256 頁   

定価 3,524円 (本体価格3,204円)

シリーズ: 世界幻想文学大系
近代日本文学界の私小説的、自然主義的風土の故に、久しく貶められてきた幻想の文学が、今甦る。“進歩”と“科学”の西欧の地下にひそむ“もうひとつの西欧”が生んだ目眩めくような驚異と幻想の物語、そして恐怖と戦慄の物語、解体してゆく自我、噴出する言語の暴力……。本大系の出現によって“もうひとつの西欧”の、異端にして激越なる言語と想像力はその全貌をあらわすであろう。造本=杉浦康平+鈴木一誌

【内容紹介】

日常世界のひそかな崩壊、噴出する悪夢・幻想・狂気。短篇の名手コルタサルが、実験的手法と文体を駆使し、輝く啓示的至高点を求めんとするコルタサルの、傑作中・短篇集。

【著者紹介】

フリオ・コルタサル (フリオコルタサル)

1914年~1984年。ブリュッセルに生まれる。少年の頃から英・米・仏の古典文学、さらにはシュルレアリストらの作品を愛読。1951年渡仏後、前衛的手法と文体を駆使した問題作を次々に発表し、ラテンアメリカ文学の代表的作家となる。

木村榮一 (キムラエイイチ)

1943年大阪生まれ。神戸市外国語大学卒業。現在同大学教授。訳書にコルタサル「遊戯の終り」「秘密の武器」(国書刊行会)、バルガス=リョサ「緑の家」(新潮社)、カブレラ=インファンテ「亡き王子のためのハバーナ」(集英社)、フェンテス「聖域」(国書刊行会)などがある。