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オオイナルセイセン

大いなる聖戦  

第二次世界大戦全史  

発売日 2018/09/21

判型 四六判   ISBN 978-4-336-06292-5

ページ数 472 頁   Cコード 0020

定価 5,060円 (本体価格4,600円)

内容紹介

英国、米国、ノルウェーなどで長年にわたり、20世紀の戦争と戦略に関する研究を進めてきた斯界の碩学による、第二次世界大戦を学ぶために不可欠の必読書。

これまで信じられてきた、第二次世界大戦における通念の数々を、新たな視座に基づいた緻密な分析によって刷新し、その相貌を巨細にわたり描き切った決定的大著。

◆本書は以下の2点の方針に基づき著されたものです。
①大戦についての基本的な参考・指南書となり、大戦を構成し、同時進行していた時期もある二つの戦争をバランスよく一巻にまとめて記述し、その際にも、二つの戦争の各々を構成する部分部分を相互にバランスよく提示することとしたこと。
②時系列順での「そして次に……」といった記述方式を避け、いつ・どこで・何が起きたかという記述態様よりは、出来事が実際にそのように起きた理由の追究を重視し、説明に際しては地域毎にではなく起きた時期に焦点を当て、どのように出来事が展開していったのかを明確にするようにしたこと。

著者紹介

H・P・ウィルモット (エイチピーウィルモット)

1945年英国ブリストル生まれ。ロンドン大学キングズ・カレッジ戦争研究学部で軍事史の博士号を取得。米国国防大学の幕僚課程を修了し、英国国防大学で安全保障戦略の修士号を取得。英国陸軍特殊作戦部隊(SAS)での軍務経験を経てサンドハースト陸軍士官学校戦史上級講師、国防省戦史上席研究官、デ・モントフォート大学軍事・社会学研究所客員教授、グリニッジ大学客員教授を歴任。英国外では王立ノルウェー国防大学客員教授、米国テンプル大学、メンフィス両大学客員教授を歴任。また、1992年から1994年にかけてワシントンD.C.の米国国防大学軍事戦略・作戦コースで海軍史の講座を担当した。軍事一般、とりわけ20世紀の戦争と戦略に関する20冊以上の著作がある。浩瀚なThe Last Century of Sea Power(Indiana University Press, 2009~ 全3巻予定。1・2巻既刊)は海軍史研究のライフワークである。また、When Man Lost Faith in Reason (Praeger, 2002) は20世紀の戦争と社会の省察である。

等松春夫 (トウマツハルオ)

防衛大学校人文社会科学群国際関係学科教授。
1962年米国ロサンゼルス生まれ。筑波大学人文学類(ヨーロッパ史)卒。早稲田大学大学院政治学研究科(政治思想)修士課程修了。オックスフォード大学大学院社会科学研究科(政治学・国際関係論)博士課程修了。D.Phil(International Relations).
主要業績:『日本帝国と委任統治―南洋群島をめぐる国際政治1914-1947』(名古屋大学出版会、2011年)、細谷千博+イアン・ニッシュ監修『日英交流史1600-2000』全5巻(東京大学出版会、2001年、共著)、軍事史学会編『日露戦争』全2巻(錦正社、2004~05年、編著)、波多野澄雄・戸部良一編『日中戦争の軍事的展開』(慶應義塾大学出版会、2006年、共著)、緒方貞子・半澤朝彦編著『グローバル・ガヴァナンスの歴史的変容―国連と国際政治史』(ミネルヴァ書房、2007年、共著)、軍事史学会編『PKOの史的検証』(錦正社、2007年、編著)、軍事史学会編『日中戦争再論』(錦正社、2008年、編著)、筒井清忠編『昭和史講義』1・2(筑摩書房、2015~16年、共著)、H・P・ウィルモット『第一次世界大戦の歴史 大図鑑』(創元社、2014年、翻訳監修)、R・G・グラント『海戦の歴史 大図鑑』(創元社、2015年、翻訳監修)、ジョン・G・ストウシンガー『なぜ国々は戦争をするのか』上・下(国書刊行会、2015年、監訳)。

目次

日本語版へのまえがき
前言および謝辞

◆第1章 新しい世界と新しい戦争
平和の問題/中国に対する日本の野心/日本と満洲/満洲事変への反響/ナチ・イデオロギー/ヒトラーと軍縮/ラインラント進駐/日中戦争の起源/中国の情勢/盧溝橋事件/中国における戦い 一九三七年/戦争の泥沼化/中国戦線 一九三八年/オーストリア併合とミュンヘン会談/ミュンヘン会談の影響/英ソの不信/独ソ不可侵条約/ヨーロッパ戦の勃発

◆第2章 征服戦争の階梯
ドイツ国防軍の軍備/ポーランド軍と独軍の戦闘序列/北ポーランドにおける戦い/南ポーランドにおける戦い/ワルシャワ攻防戦/ソ連の介入/ポーランドの解体/ドイツの海軍戦略/ドイツの通商破壊戦/連合軍輸送船団とUボートの戦い/スカンディナヴィアの戦い 冬戦争/ソ連軍のフィンランド攻撃計画/ソ連軍の敗北と立ち直り/スカンディナヴィアにおける英仏の思惑/英仏の計画/独軍の計画/独軍の南ノルウェー占領/英仏軍の北ノルウェー撤退/西ヨーロッパにおける作戦/独軍の戦闘序列/英仏軍の計画/優劣の比較/仏軍の士気/開戦劈頭の動向/独軍のムーズ川渡河/セダンにおける仏軍の敗北/連合軍内部の軋轢/北仏戦線の崩壊/マジノ線突破/フランスの休戦協定受諾/ヨーロッパ列強の没落/錯綜するバルカン情勢/英本土航空決戦/屈せざるも無力な英国/選択に苦しむドイツ/伊軍のギリシャ侵攻/北アフリカの戦い/脆弱なイタリア/ドイツの介入/バルカンの戦い/ユーゴスラヴィア降伏/ギリシャにおける連合軍の敗北/クレタ島をめぐる戦い/大西洋の戦い/膠着した海洋戦/バルバロッサ作戦/独軍の作戦をめぐる問題/独軍の戦闘序列/独軍の無敵神話/ソ連とソ連軍の状況/準備不足のソ連/ソ連軍の戦闘序列/独ソ戦の開始/北部・中部戦線における作戦/南部戦線における作戦/ウクライナにおける独軍の攻勢/ソ連軍の抵抗/モスクワ攻略「台風」作戦/ソ連軍の反撃

◆第3章 世界戦争への拡大
中国戦線で日本が直面する難問/日本の政策決定へのヨーロッパ情勢の影響/日本の機会と選択肢/米国の建艦計画とその影響/米国の対日経済制裁と誤算/真珠湾攻撃/日本軍の東南アジア侵攻/フィリピンの戦い/オランダ領東インドにおける戦い/マラヤとスマトラの戦い/ビルマの戦い/日本の作戦計画修正/珊瑚海とミッドウェーの戦い/ドイツの対米宣戦/北大西洋の戦い・一九四一年~四三年/連合国の苦境 一九四二年/連合軍の戦力増強/地中海戦線/地中海戦線・一九四〇年~四二年/枢軸諸国が直面する諸問題/米軍の中東戦線への介入/エルアラメインの戦いへ向けて/パプア・ニューギニアの戦い/ガダルカナルをめぐる攻防/ソロモン海域における海戦 一九四二年十一月/東部戦線・一九四二年/ソ連軍の成功の限界/ハリコフ攻勢/ドイツの戦略判断・一九四二年/独空軍の実態/独陸軍の実態/ドイツの同盟諸国の実態/枢軸軍占領地域の状況/独軍の作戦計画の弱点 一九四二年/独軍の夏季攻勢/独軍の作戦の欠陥/スターリングラードの戦い/エルアラメインの戦いと「トーチ」上陸作戦/チュニジアの戦い/ソ連軍の冬季攻勢/土星および小土星作戦/イタリア第八軍の壊滅/スタフカの南方攻勢計画/ギャロップおよび星作戦/独軍の戦線建て直し/ハリコフ攻勢再考

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