フタツノジンセイ
ふたつの人生
発売日 2017/10/24
判型 四六変型判 ISBN 978-4-336-05917-8
ページ数 488 頁 Cコード 0397
定価 2,808円 (本体価格2,600円)
施設に収容されたメアリー・ルイーズの耳には、今もロシアの小説を朗読する青年の声が聞こえている――夫がいながら生涯秘められた恋の記憶に生きる女の物語「ツルゲーネフを読む声」。ミラノへ向かう列車内で爆弾テロに遭った小説家ミセス・デラハンティは同じ被害者の老人と青年と少女を自宅に招き共同生活を始める。やがて彼女は心に傷を負った人々の中に驚くべき真相を見いだしていく……「ウンブリアのわたしの家」。ともに熟年の女性を主人公にした、深い感銘と静かな衝撃をもたらす傑作中篇2作を収録。
ウィリアム・トレヴァー (ウィリアムトレヴァー)
1928年、アイルランドのコーク州生まれ。人物の造形にすぐれ、長篇、短篇ともに名手として世界中の読み巧者たちに高く評価されている。
栩木伸明 (トチギノブアキ)
1958年生まれ。上智大学大学院博士課程単位取得退学。現在、早稲田大学文学学術院教授。専攻は現代アイルランド文学・文化。著書に『声色つかいの詩人たち』(みすず書房)、訳書にキアラン・カーソン 『シャムロック・ティー』(東京創元社)などがある。