1. トップページ > 
  2. 海外文学 > 
  3. SF > 
  4. 短篇ベスト10

タンペンベストテン

短篇ベスト10

発売日 2015/05/22

判型 四六変型判   ISBN 978-4-336-04505-8

ページ数 384 頁   Cコード 0397

定価 2,592円 (本体価格2,400円)

内容紹介

集団主義のイデオロギーによって個人が厳しく抑圧される様を、独裁者の支配下、人びとが水の中に住むことを強制されている星に仮託して風刺的に描いた「航星日記・第十三回の旅」、大事故にあった宇宙船の中に唯一生き残った、壊れかけのロボットに秘められた謎を追った「テルミヌス」、高性能コンピュータに人類の歴史のありとあらゆる情報を吸収させた上で詩を作らせる、抱腹絶倒の言葉遊び「探検旅行第一のA(番外編)、あるいはトルルルの電遊詩人」など、本国ポーランドの読者人気投票で選ばれた15篇の短篇から、10篇をセレクトした新訳。

著者紹介

スタニスワフ・レム (スタニスワフレム)

1921年、旧ポーランド領ルヴフ(現在ウクライナ領)に生まれる。クラクフのヤギェウォ大学で医学を学び、在学中から雑誌に詩や小説を発表し始め、1950年に長篇『失われざる時』三部作を完成。地球外生命体とのコンタクトを描いた三大長篇『エデン』『ソラリス』『砂漠の惑星』のほか、『金星応答なし』『泰平ヨンの航星日記』『宇宙創世記ロボットの旅』など、多くのSF作品を発表し、SF作家として高い評価を得る。同時に、サイバネティクスをテーマとした『対話』や、人類の科学技術の未来を論じた『技術大全』、自然科学の理論を適用した経験論的文学論『偶然の哲学』といった理論的大著を発表し、70年には現代SFの全2冊の研究書『SFと未来学』を完成。70年代以降は『完全な真空』『虚数』『挑発』といったメタフィクショナルな作品や文学評論のほか、『泰平ヨンの未来学会議』『泰平ヨンの現場検証』『大失敗』などを発表。小説から離れた最晩年も、独自の視点から科学・文明を分析する批評で健筆をふるい、中欧の小都市からめったに外に出ることなく人類と宇宙の未来を考察し続ける「クラクフの賢人」として知られた。2006年に死去。

沼野充義 (ヌマノミツヨシ)

1954年,東京生まれ。東京大学卒,ハーバード大学スラヴ語学文学科に学ぶ。ワルシャワ大学講師を経て,現在,東京大学教授。著書に『徹夜の塊 亡命文学論』(作品社),『徹夜の塊 ユートピア文学論』(作品社),『W文学の世紀へ』(五柳書院),『ユートピアへの手紙』(河出書房新社),『200X年文学の旅』(共著,作品社),編著書に『東欧怪談集』(河出文庫),『世界×現在×文学 作家ファイル』(共編,国書刊行会),『世界は文学でできている』(光文社)などがある。

関口時正 (セキグチ トキマサ)

1951年,東京生まれ。東京大学卒。1992年から2013年まで東京外国語大学でポーランド文化を講じた。現在,同大学名誉教授。著書に『ポーランドと他者』(みすず書房),訳書に『ショパン全書簡1816~1831年――ポーランド時代』(共訳,岩波書店),チェスワフ・ミウォシュ『ポーランド文学史』(共訳,未知谷),ヤロスワフ・イヴァシュキェヴィッチ『尼僧ヨアンナ』(岩波書店),『ヤン・コット 私の物語』(みすず書房)などがある。

久山宏一 (クヤマコウイチ)

1958年,埼玉生まれ。東京外国語大学卒,早稲田大学大学院博士後期課程中退。アダム・ミツキェーヴィチ大学(ポーランド・ポズナン市)より文学博士号(スラヴ文学)取得。現在,東京外国語大学など非常勤講師。ロシア・ポーランド文化研究,ポーランド語通訳。著書に『ミツキェーヴィチのソネットとロマン主義期のロシア・ソネット』(ポーランド語),共訳書にヴァンダ・ヴェルテンシュタイン編『アンジェイ・ワイダ 自作を語る』(工藤幸雄監訳,平凡社),アンジェイ・ムラルチク『カティンの森』(共訳,集英社文庫)などがある。

芝田文乃 (シバタアヤノ)

1964年、神奈川生まれ。筑波大学芸術専門学群卒業。ポーランド語翻訳者、写真家、エディトリアル・デザイナー。1992年より東京、クラクフなどで写真展開催。訳書にレム『高い城・文学エッセイ』『短篇ベスト10』、コワコフスキ『ライロニア国物語』(いずれも共訳、国書刊行会)、ムロージェク『所長』『鰐の涙』(未知谷)、グラビンスキ『動きの悪魔』(国書刊行会)などがある。

目次

三人の電騎士
航星日記・第二十一回の旅
洗濯機の悲劇
A・ドンダ教授 泰平ヨンの回想記より
ムルダス王のお伽噺
探検旅行第一のA(番外編)、あるいはトルルルの電遊詩人
自励也エルグが青瓢箪を打ち破りし事
航星日記・第十三回の旅
仮面
テルミヌス
〈メニッペア〉としての小説――短篇作家としてのレムを称えて(沼野充義)

同じ著者・訳者の作品

火の書

火の書

ステファン・グラビンスキ
芝田文乃

定価2,916円(税込)

生誕130年を迎えた、ポーランド随一の狂気的恐怖小説作家ステファン・グラビンスキ…

主の変容病院・挑発

レムはここから始まった――ナチスによって占領された病院を舞台に、苦闘する青年医師…

狂気の巡礼

日常に侵された脳髄を搔きくすぐる、名状しがたい幻視と惑乱。冥境から降り来たる歪形…


>> もっと見る

ページトップへ